Noted.

取材やインタビューの発言を、正確に引用するには

「売りません」だったか、「売れません」だったか。

一つは決意で、もう一つは事情です。聞き違えたまま記事にすれば、本人が言っていない言葉に、その人の名前が付いてしまいます。

インタビューをしたことがあれば、誰にでも「たぶんこう言っていた」という発言があるはずです。メモに残っているのは、だいたいの内容だけ。文字起こしは「り」と「れ」を聞き違えることがあります。要約は、相手の意図をすでに解釈したあとのものです。決め手になるのは録音だけ。そして、その中から必要な10秒をすぐに見つけられることです。

Notedは、そのためのアプリです。インタビュー中に入力した行はすべて録音と連動しているので、行をタップすれば、相手がそれを話している声が再生されます。記者やライター、研究者、卒論や修論でインタビューをする学生、採用面接の担当者。どの立場でも使える方法をご紹介します。


始める前に

録音する前に許可を取る。 「正確に引用したいので」という理由は、たいていの人が快く受け入れてくれます。録音が始まったら、もう一度確認しましょう。相手の「どうぞ」も録音に残ります。

質問をメモに書いておく。 進行の目安になり、各質問の下に答えを書くスペースもできます。

「話者を識別」をオンにする。 Notedが文字起こしの中で声ごとにラベルを付け、あとから名前を付けられます。どの行が相手の言葉で、どの行が自分の言葉か、ひと目でわかります。

ビデオ通話の場合は? Macなら、Notedが通話のウインドウを音声ごと録画して、そのままメモに記録できます。通話にボットが参加することはありません。ほかのアプリで録音済みなら、ファイルをメモに読み込んで続きから作業できます。


インタビューの最中に

画面ではなく、相手を見る。 聞いてもらえていると感じると、人は話しやすくなります。

発言そのものではなく、ひと言だけ書く。 「いい発言」「数字を確認」「3月と矛盾」。入力した行にはすべて録音のタイムスタンプが付くので、どの行もその瞬間に戻る入り口になります。

使いたい行にタグを付ける。 引用したい発言には#quote、確認が必要なことには#factと入力します。これが#TimeTag(アプリでは「#時間タグ」)です。タグは「タグ」タブに集まるので、これまでのすべてのインタビューの#quoteを一か所で見られます。一本の記事に五つのインタビューを使うときに便利です。


原稿にまとめる

すべてのインタビューの#quoteが一覧に。タップすると、その発言の瞬間からNotedが再生します。

印をつけたところから始める。 行や#quoteタグをタップすると、その位置から録音が再生されます。

文字起こしで探して、音声で確かめる。 文字起こしで「価格」などの言葉を検索し、その行をタップして実際の声を聞きます。かぎかっこに入れる前に、必ず耳で確認しましょう。名前、数字、早口の部分は、文字起こしが間違えやすいところです。

早口の人は、速度を落とす。 一語一語がはっきり聞こえるまで、再生速度を下げましょう。

空白を飛ばす。 インテリジェント再生は無音部分を飛ばし、オンにすれば背景ノイズも飛ばします。1時間のインタビューを聞き直すのに、1時間はかかりません。

言葉にならない部分も聞く。 答える前の間、笑い声、「まあ…」というひと言で、発言の意味が変わることがあります。それを残せるのは録音だけです。


大切な内容を守る

インタビューには、扱いに注意が必要な内容もあります。AI文字起こしはデバイス上で動作するので、文字起こしのために録音をiPhoneやMacの外に出す必要はありません。メモにはFace ID、Touch ID、パスワードでロックをかけられるので、取材相手の言葉を二人の間だけにとどめておけます。


身につけておきたい習慣

発言を証明しなければならない場面は、めったにありません。それでも、編集者やクライアント、取材相手から「本当にそう言った?」と聞かれたとき、ワンタップで、本人の声で答えられます。


App StoreでNotedを入手、またはMac App Storeで入手。


大切な瞬間を見つけて。録音は残しておきましょう。